あなたの膝は何歳ですか?
変形が進む前にできること
数多くある人の関節の中で、膝は体重を支える役割をもつ最も大切な関節の一つです。しかし、日本人はもともとO脚の膝が多く、変形が起こりやすい形になっています。年齢とともに変形は進むことがあり、
一旦、軟骨が傷んでしまうと、元に戻すことは現在の医学では難しいです。
その様になることをできるだけ防止するためには、
まずは今のあなたの膝がどの様な状態であるかを確かめることが第一歩です。中江病院では、膝の状態やご年齢、また、何に困っておられるかなどを詳細にお伺いし、お一人お一人に最もあった治療方法をご提供しています。
中江病院では以下の方法で、変形の予防や治療を行なっています。
① リハビリテーション
② メディカルフィットネスジム
③ 装具療法(サポーターなど)
以上の治療方法は、
変形が軽度の場合は特に有効です。手術までは…、と思われている方、まずはこの方法から始めてみましょう。
④ O脚の矯正(高位脛骨骨切り術)
変形が中程度の場合は第1選択になります。手術治療の中では最も患者様の満足度が高い方法です。O脚をまっすぐに矯正することで、膝の負担が軽くなり痛みが和らぎます。また、ご自身の膝を長持ちさせることができますので、人工関節が必要なまでに変形することを予防します。スポーツも可能な手術です。
⑤部分的な人工関節(人工膝関節単顆置換術)
傷んだ部分だけを人工関節に取り替えます。術後の回復が最も早く、ややご高齢の方が対象になります。歯の治療でいうと部分入れ歯の様な治療です。違和感の少ない人工関節です。
⑥全体的な人工関節(人工膝関節全置換術)
変形がかなり進行している場合のみ、この方法になります。総入れ歯の様な治療です。例えるなら、もともと歯がほとんど無い程に傷んでしまっている様な膝に行う手術です。
以上の治療方法を使い分けるには経験が必要です。中江病院ではどの治療方法も高い水準で行なっています。膝のことなら中江病院にご相談ください。
術後の様子とリハビリについては患者さんの様子に気を配りながら、少しずつ膝を曲げていきます。
通常、術後2~3日で歩く練習を始めます。患者さんは、術後2日間くらい痛みがありますが、すぐに痛みは取れていきます。
手術後は3週間ほど入院し、リハビリを行います。主なリハビリ内容は、膝を曲げるのと歩く訓練です。
その他、膝の周りの筋肉を鍛える筋力訓練や、階段の上り下りなどの日常生活動作の訓練も行います。
やはり筋肉を切っていますので、最初は痛くて、どうしてもすぐには曲げることはできません。理学療法士が患者さんの足を触って、声をかけながらじわじわと毎日5、10°と曲げていきます。
リハビリ用に様々な機器が出ていますが、最も重要なのは、理学療法士という「人」によるリハビリテーションだと思います。
術後、患者さんの状況を最も良く把握しているのは理学療法士であり、患者さんがリハビリに継続して取り組めるように信頼関係を作り、動作ができた時にほめたり励ましたりするのも理学療法士です。
当院も実践していますが、このように機器に頼らないリハビリが重要だと考えています。
人工膝関節置換術を受ける患者さんの多くは、ある程度の年配の方なので、そういう方々が楽しまれるレクリエーションで、術後、やってはいけないことというのは、基本的にありませんし、問題なくできます。
旅行に行くとか、卓球やパークゴルフをやるとか、患者さんが自分でやりたいと思ったことに取り組まれたら良いと思います。
ただし、重労働や肉体労働、高いところから飛び降りるなどの動作は、少し難しいかもしれません。
その他、走る際には気を付けてください。
ランニングには、体が空中に浮いている時間がありますが、着地する際に全体重が膝にかかります。着地した瞬間は、体に負担がかかりますので、積極的に走るというのは避けた方が良いでしょう。散歩や、プールの中で歩いたり走ったりするのは、健康にも良いため、ぜひ進んで取り組んでください。